滋賀県がん患者団体連絡協議会では、コロナ禍によりそれまで当たり前に受けられていた治療が、受けられなくなった体験を踏まえ、これからのがん医療をよりよいものにしていくために、三日月大造滋賀県知事に下記の滋賀県のがん対策、がん医療についての提言を提出しました。また、8月より当ホームページにて実施している、「コロナ禍のがん医療について、滋賀県のがん患者の声、がん医療に関する県民、関係者の声アンケート」にお寄せいただいた声を届けしました。
令和3年10月22日
滋賀県知事
三日月 大造 様
滋賀県がん患者団体連絡協議会
会長 菊井 津多子
提 言
一年半以上に亘る新型コロナウィルスとの闘いも、全国的に感染者数が激減し、日常生活が戻りつつありますが、遡ると、急激に感染者数、重症者数が増えた時期、医療現場の疲弊は蓄積し、限界を超え、これまでの医療体制では追い付かず、がん治療専門の病院がコロナ病床を確保する等の措置をしても、感染者が入院できない。救急車を呼べない。等で自宅治療中の方が亡くなる事態が起き、当たり前と思っていたこれまでの医療を受けられない現実と不安を私たちは突きつけられました。滋賀県でも緩和病棟が閉鎖された病院があり、末期のがん患者さんにも大きな影響が出ております。
そんな中、昨年、「あけぼの滋賀」はコロナの影響を受けていないかというアンケートを行いました。回答者の4割が何らかの影響を受けていました。〇感染が怖くて病院に行くのを控えている。〇急を要さないと別の病院に回された。〇面会ができないので緩和病棟に入院せず、在宅療養の診療所を見つけることにたいへん苦労され、最期を自宅で迎えられた方もおられました。また、今年、当協議会は『コロナ禍のがん医療についてがん患者の声アンケート』をホームページ上で行っております。現在104名の声が寄せられております。(別紙アンケート集計有)ここでも検診、診断、治療、経過観察、末期とどの状況においても影響が出ていることがわかりました。特に病棟での「面会禁止」という措置は、予想通り、精神的ダメージが大きいことが明らかになりました。がしかし、そんな状態でも、「ありがとうございます」と医療者に対して感謝の気持ちを書いてくださる方も多く、看護師さんががん患者をしっかり支えてくださっている医療者本来の姿が発揮されているといううれしい状況であることを確認することができました。
まだまだ先が見えないコロナとの闘いですが、滋賀県のがん患者団体として以下のことを要望したいと思います。
◆ 三日月知事が先頭に立って、がん検診の推進をがん患者と共に進めてもらいたい
◆ 末期のがん患者の在宅療養、緩和ケアを請け負える診療所、医院等の見える化と2次医療圏毎の均てん化を進めてもらいたい
◆ 「がん情報しが」をがんの情報を探している県民の視点に立ったものにしてもらいたい
◆ がん治療を担う医師の流出を止めてもらいたい
以上